お尻が痛い

腰痛

お尻が痛い

お尻が痛い。居ても立っても居られないほど、左のお尻が痛い。

盛岡せんぼくバランス治療院の院長である、私自身のお尻が痛い体験の、そのレポートです。

しばらく前から、そう2~3カ月ほど前から、左のお尻に違和感と軽い痛みがあることには気づいていました。

基本的に、盛岡せんぼくバランス治療院のスタンスは、「人には、自分の体を治す自然治癒力が備わっているのだから、放っておけば治る」ということです。

けれども、このお尻の痛みは、放っておいても、一向に良くならない、とうとう、居ても立っても居られないほどの痛みになってきました。

お尻の痛い部位は、ここです。

いわゆる「尻ぺた」の部分です。

さらには、左足の下肢の外側、いわゆる「すね」の外側にまで、鈍く「痛み」のような「痺れ」のような鈍痛が響きます。

お尻から下肢までの痛みですから、整形外科的には、「坐骨神経痛」ということになります。

「坐骨神経痛」とは、お尻の後面から太ももの後面、さらには、下肢・ふくらはぎを走行する坐骨神経に沿った部位に痛みや痺れが出現する症状です。

坐骨神経痛の原因は、整形外科的には、腰椎の椎間板がヘルニア、つまり椎間板が「出っ張る」ことで、腰椎の中枢神経を圧迫し、痛みがでる、とする椎間板ヘルニア原因説と、

腰椎の中を走行する中枢神経を、なんらかの原因で腰椎の中が狭くなることで、中枢神経を圧迫することで、痛みが出る、とする脊柱管狭窄症と診断されます。

レントゲン検査やMRIの画像検査で、診断することができます。

けれども、この考え方には、疑問符がつきます。

「中枢神経を圧迫すると、なぜ、下肢に痛みが出るのか?」

というシンプルな問いに、答えることができないからです。

痛みは、神経の末端にある痛みを感受する「感覚受容器」が作動することで、痛みの情報を中枢神経に伝えます。

痛みを感じとるのは、神経の末端なのです。

整形内科は次のように記しています。

神経線維はあくまで電線であり、神経上膜や神経鞘などのfasciaや細胞体の異常シグナルを伝えるものである。

(編者 白石吉彦 白石裕子 皆川洋至 小林只 「THE整形内科」:南山堂:P45)

このことを踏まえて、盛岡せんぼくバランス治療院は、神経の圧迫が痛みの原因ではなく、こう考えます。

①盛岡せんぼくバランス治療院・整体の原理その1 

筋肉・筋膜をはじめとする軟部組織に「コリ・ファシア」が形成されると、痛み、はり感といった不定愁訴、および関節可動域制限が出現する。

このお尻の痛みは、筋肉・筋膜をはじめとする軟部組織に形成された「コリ・ファシア」が原因の痛みなはずです。

このことを実証するためにも、自分の、このお尻の痛みを治さなくてはなりません。

お尻の痛みの原因

このお尻の痛みは、やっかいで、椅子に座っていても、立っていても出現します。仰向けに寝そべったり、横向きに眠る姿勢の際には、比較的、痛みは出現しません。

体表や、筋肉の痛みは、筋肉や筋膜をはじめとする軟部組織に形成された「コリ・ファシア」が原因であると、盛岡せんぼくバランス治療院は考えますから、その原因となっている「コリ・ファシア」を見つけ出さなくてはなりません。

「コリ・ファシア」が形成される原因は、同じ作業を続けたり、同じ姿勢を続けたりして、同じ筋肉ばかりを繰り返し作動させることで形成されます。また、同じ姿勢を続けることで、筋肉を圧迫することでも形成されます。

③盛岡せんぼくバランス治療院・整体の原理その3

筋膜に包まれた筋肉は、持続的に高い圧力をかけられたり、持続的に作動し続けると、内圧が高まり、筋肉は、硬化して「コリ・ファシア」を形成する。

気づかないうちに、同じ姿勢を続けていたに違いありません。

お尻に痛みを誘発させる姿勢を再現してみます。

様々な姿勢を再現しながら、たどり着いたのは、椅子に座っている時に、左のお尻に重心がかかっている、ということでした。

左のお尻に重心がかかったまま、長時間座っていることで、お尻の筋肉が圧迫され、「コリ・ファシア」が形成され、お尻に痛みを出しているのだ、とわかりました。

椅子に座っている姿勢とは、こういうことです。

左のお尻の骨、骨盤から、太ももの後面にかけて、広い範囲で、圧迫されていることがわかります。

そして、椅子に座ることで圧迫されている部位は、こうなります。

坐骨結節、殿筋粗面、粗線外側唇に付着する筋肉に「コリ・ファシア」が形成され、お尻に痛みを出している、と考えることができます。

また、もうひとつのポイントは、この椅子に座っている姿勢というのは、「股関節を屈曲している」ということです。

股関節を屈曲する筋肉が作動し続けることで、股関節を屈曲する筋肉に「コリ・ファシア」が形成される、ということです。

股関節の屈曲というと、代表的な筋肉は、腸腰筋と大腿四頭筋の大腿直筋ということになりますが、盲点となっている筋肉があるのです。

中殿筋と小殿筋です。

中殿筋

全線維:股関節を外転させる

前部線維:股関節を屈曲させる。股関節を内旋させる。

後部線維:股関節を伸展させる。股関節を外旋させる。

(Andrew Biel箸:坂本桂造監訳:「ボディ・ナビゲーション」:P315:医道の日本社)

小殿筋

股関節を外転させる。股関節を内旋させる。股関節を屈曲させる。

(Andrew Biel箸:坂本桂造監訳:「ボディ・ナビゲーション」:P316:医道の日本社)

中殿筋と小殿筋の作用として、股関節の屈曲を指摘している解剖学の本は、非常に少ないのが現状です。やはり、解剖学の本は、一冊ではなく、数冊手元に置いて参照する必要があります。

座り続け、股関節を屈曲し続けることで、中殿筋と小殿筋に「コリ・ファシア」が形成された可能性も十分考えられます。

股関節を屈曲する筋肉の主な筋肉は以下の通りです。

大腿直筋の腱は、比較的触知しやすく、その下、下層に位置する厚い筋肉が小殿筋です。さらに小殿筋から後方に触れる筋肉が中殿筋です。

この3つの筋肉の周辺は、「コリ・ファシア」が形成されやすいポジションです。

ここまで、座ってる椅子の接触面に触れる筋肉が、椅子の接触面と太もも、お尻の重さで圧迫され、「コリ・ファシア」が形成された可能性。また、椅子に座ることで、股関節を曲げ続けることになるので、筋肉を作動させ過ぎから「コリ・ファシア」が形成された可能性をしてきしました。

これと、さらにもうひとつ。左のお尻に重心をかけて座ると、中殿筋と小殿筋が押しつぶされるように圧迫されることがわかります。

上の写真に示した、中殿筋と小殿筋に手を触れながら、左のお尻に重心をかけると、中殿筋と小殿筋が押しつぶされ、圧迫されることが確認できます。

この3つの動作が、お尻に痛みをだしている原因、痛みを出している筋肉・筋膜に「コリ・ファシア」が形成された原因だと推察されます。

試行錯誤を繰り返し、自分の体を施術していくと、どうやら、痛みを出しているのは中殿筋の「コリ・ファシア」であり、可動域制限を出しているのも中殿筋の「コリ・ファシア」であるようです。

可動域制限を出す筋肉と痛みを出す筋肉

盛岡せんぼくバランス治療院は、可動域制限を出す筋肉と、痛みを出す筋肉は別物だ、と考えます。

どうやら、ひとつの筋肉が、可動域制限を出す原因であり、なおかつ痛みを出す原因の筋肉であること、一つの筋肉が二役を演じることは、ないようです。この点については、今後さらに臨床を重ねて、検証して参りたいと考えております。

今回の、お尻が痛い症状の可動域制限を確認してみます。

腰痛の可動域制限を確認する際に必ず行う動作は、仰向けになり、両膝を立て、両膝を左右に倒してもらう検査です。

腰痛の方は、ほぼ確実にこの動作で、可動域制限や腰に痛みを生じることから、欠かせない検査です。

このお尻の痛みは、この膝倒しの動作をしても、可動域制限も痛みも生じません。

片膝だけ立てて、この片膝を左右に倒してみても、可動域制限も痛みも生じません。

SLR(下肢伸展挙上テスト)、仰向けになり、膝を伸ばしたまま、太ももを上に上げる(股関節の屈曲)検査をしても、可動域制限も痛みも生じません。

立位で、前かがみをしても、手は楽々、床に尽きます。後反らしも良好です。

唯一、可動域制限が出現したのは、治療ベッドに両膝を伸ばして座り、そこから、体幹を前に倒そうとすると、前にほとんど動かないことがわかりました。

SLRと、この両膝を伸ばしての前かがみとでは、検査の対象となる筋肉が別物であることがわかります。

SLRはハムストリングスの検査であり、両膝を伸ばしての前かがみの検査は殿筋群の「コリ・ファシア」の検査になります。

殿筋群が床面に圧迫されるために、殿筋群が動けなくなります。

このことは、中殿筋の「コリ・ファシア」を筋膜リリースすると、可動域が改善することから、判断できます。

「居ても立っても居られない」とはどういうことか?

今回のお尻の痛みは、かなり強烈で、困ったことに、椅子に座ってもお尻が痛い。立ち上がってもお尻が痛いありさまです。

まさに「居ても立っても居られない」とはこのことです。

仰向けに横たわると、痛みはでなくなるのが唯一の救いでした。

盛岡せんぼくバランス治療院は、痛みの出現について、以下のように考えます。

②盛岡せんぼくバランス治療院・整体の原理その2

「コリ・ファシア」が形成された筋肉・筋膜を収縮・作動させると「痛み」が出現する。

「コリ・ファシア」が形成された筋肉・筋膜を牽引・ストレッチすると「はり感」が出現する。

「痛み」がでるのは、その「コリ・ファシア」が形成された筋肉が収縮・作動する際に「痛み」が出現する。

この定理を、「居ても立っても居られない」に当てはめてみますと、座っているときに作動する筋肉に「コリ・ファシア」が形成されていて、さらに、立っているときに作動する筋肉にも「コリ・ファシア」が形成されている。そして、座っているときに作動する筋肉が作動することで、座っていても痛みが出現し、立っているときに作動する筋肉が作動することで、立っていると痛みが出現するということです。

中殿筋の構造

中殿筋の構造を、もう一度、確認してみます。

中殿筋

全線維:股関節を外転させる

前部線維:股関節を屈曲させる。股関節を内旋させる。

後部線維:股関節を伸展させる。股関節を外旋させる。

(Andrew Biel箸:坂本桂造監訳:「ボディ・ナビゲーション」:P315:医道の日本社)

そう、中殿筋は、前部線維は、股関節を屈曲させ、後部線維は股関節を伸展させるのです。正反対の動きを併せ持っています。

股関節を屈曲させる、とは、椅子に腰かける動作で作動します。

股関節を伸展させる、とは、立ち上がる時、立っているとき作動します。

中殿筋の前部線維に「コリ・ファシア」が形成されると、椅子に座ると、前部線維が作動・収縮するため痛みを発し、中殿筋の後部線維に「コリ・ファシア」が形成されると、立ち上がったり、立ち続けていると、後部線維が作動・収縮して痛みを発する、ということです。

このことが、「居ても立っても居られない」、「居ても立っても」お尻が痛い、メカニズムです。

私の症状は、「居ても立っても、お尻が痛い」のですから、中殿筋の前部線維にも、後部線維にも「コリ・ファシア」が形成されていた、ということです。

お尻が痛い場合の対処方法とセルフケア

私の「居ても立っても」お尻が痛い症状の原因は、椅子に座っているときに、左のお尻に重心がかかってしまい、左の中殿筋が圧迫され「コリ・ファシア」が形成されたことでした。

そのことが、わかったので、原因を解消するためには、デスクワークで座っているときに、左のお尻に重心がかかる座り方を避けることが第一に必要なことです。

座つている時の、お尻の重心を確認してみると、ついつい左に重心が偏っていることが確認できます。この座り方を改善して、左右均等のバランスで座るように心がけました。このささやかな心がけが、原因の芽を摘むことになります。

また、形成されてしまった、中殿筋の「コリ・ファシア」をリリースしなくてはなりません。

中殿筋を触れていくと、中殿筋の前部線維と後部線維の境目のあたりに、ゴリゴリとした「腱」を触れることができました。

前部線維と後部線維の筋膜が「コリ・ファシア」となり「腱」のように固くなってしまったようです。

この「腱」をリリースしていくことで、お尻の痛みは徐々に解消されることとなりました。

やはり、体表上の痛み、骨格筋の痛みは、神経の問題ではなく、筋肉に形成された「コリ・ファシア」が原因であり、その「コリ・ファシア」をリリース、解消することで、お尻の痛みから解放されることができるという証しとなりえたことと確信しております。